俺のロレックス

この盆休み。

ついに俺のリスペクトする男に会った。

ホームページ制作の合間にネット配信をしている男だ。

彼と俺はそのネット配信で出会った。

話が盛り上がったついでに飯でも、みたいな。

いままでさんざん酒行こうとか言ってたのに、ついに1年もたった。

彼の家と俺のアパートとは歩いて30分位の距離しかないのに、

社会人ってお互い出不精だったりとか、なんかこう、

色々あれしたりすると、なかなかご飯とか行く合間とかないよね。

 

鶴橋には俺がいつも行く、味付けのセンスが抜群の居酒屋がある。

とうもろこしと枝豆のかき揚げとか、ミョウガの天ぷらとか、

季節のものをその場でライブ感覚たっぷりに料理してくれる。

俺のからっぽの味覚にささやかな四季を連れてきてくれて、

日本でしか味わえない幸せを繊細に彩る。

次の給料日はまた正義の味方に行くんだ!!

でも、その日は彼が勧める焼鳥屋に行った。

いつも自分が行ってる店より、彼が何を食べて幸せを感じるか、

そう、彼がどんな人か知っておきたかったからだ!!

もちろんその日は彼が上座で俺が下座だ。

いつだって学ぶ側は下座に座る事になってる。

なんかそんな気がする。

 

席に着くと俺は自慢のロレックスを見せびらかしてやった。

韓国製のロレックスだ。

一目見るなり、そんなもんつけるなと俺を一喝した。

パチモンなんか身に着けるなと。

仮に本物でも、そんなところに金を使うなと。

 

ロレックスはニセモノだが、その日食べたつくね5種盛は最高においしかった。

ねっとりと舌に絡みつくつくねの香りと辛味のある焼酎が

あっという間に俺を幸せへといざなってしまった。

もう、言う事は何もない。

いろいろ食べて最後に1番うまいのはたくわんだ。

その主張すら一致してしまい、もう、俺には何も残されていないんだ。

たかやんに完敗だ…‼

食べ物のセンスが高い男からは学ぶものが多い。

 

そうそう、俺のロレックスがどうなったって?

もちろん今でも付けてる。